UXデザイナーに求められること

事業存続のためには、もはや当然のようにその重要性および必要性を謳われるUXデザイン。
ただしその組織への啓蒙・浸透プロセスは果てしなく、地道な活動の積み重ねであることをつくづく実感する。
組織にUXデザインを根付かせるために、まずUXデザイナーが身につけるべき、マインドセット/スキルセットについて今回考察してみたい。


クライアントはもとよりユーザーニーズを理解把握し、ソリューションとして具現化・外化するデザイン能力


従来デザイナーとは、PhotoshopやIllustratorで綺麗に絵を描けること、使いやすいプロダクトやインターフェイス設計ができるといった、狭義のデザインスコープでしか語られることがなかった。もちろんそうした基本的なデザイン知識やスキル、アウトプットを生み出す力、また美的感性はなくてはならないものだが、もはやそれだけにとどまらない。ユーザー自身も気がつかない潜在的な本質的要求をサービス・プロダクトとして具現化する必要がある。デザイナーの活躍する場は、単なる表層的な表現者の枠を超え、一層深く、拡がりを見せている。


事業継続のためのビジネス視点とユーザー視点をあわせ持ったバランス感覚


ユーザーがサービスやプロダクトを利活用する前後の文脈における、体験価値向上にとかくフォーカスされがちなHCD/UXにも、ビジネス・事業戦略といった経営者の視点が求められる。ISO9241-210に定義されているHCDプロセスのメリットとして、「ブランドイメージの向上と競争力の強化」と挙げられる所以である。クライアントが描くビジネスモデルを理解し、それに沿った持続可能な事業収益をもたらすためのビジョン、コンセプトを提示できる力、まさにこれからのデザイナーとして求められる必要不可欠なポイントである。


プロジェクト適用を行える実践力


知識や手法、プロセスとしてUXを生み出すためのノウハウを身につけたとしても、それはマストがない帆船のようなものだ。UXとはユーザーが体験する結果そのものであり、当たり前だがユーザーに届いて初めて意味がある。知識、手法、プロセスをベースに、時勢が求めるものに洞察を巡らせ、クライアントの抽象イメージに輪郭を与え、ステークホルダーとの共創を通してプロジェクトを自ら推進し、ユーザーが共感する価値を届ける必要があるのだ。UXを生み出すプロセスは、決して机上や頭の中で自己完結するものではない。

 

次回は、組織デザインについて考えてみたい。

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